事例５２．
被相続人（1947年生まれ、2011年帰化）の相続手続用の韓国・除籍謄本は存在せず、代わりに送られて来た家族の除籍謄本。京都府の司法書士事務所から依頼。

初日

京都府の司法書士事務所から電話にて依頼を受ける。

伺ったところ、司法書士事務所への依頼者の母親（1947年生まれ２世,2011年に日本へ帰化）が他界し遺産相続手続きに入ったのだが、被相続人の日本への帰化前の韓国・除籍謄本等を全て取り寄せて翻訳文を付けて欲しい。韓国の本籍は、現時点で「慶尚南道　咸陽郡」としか分からない、とのこと。

早速、司法書士事務所宛に、取り寄せに必要な事項を記した説明書と委任状の用紙、同日本語翻訳文をお送りする。

７８日目

依頼者より取り寄せに必要な書類と委任状が到着。

被相続人の本籍地の面事務所に、被相続人の子（日本国籍）の委任状を添付して、被相続人が記載されている全ての除籍謄本等の取り寄せの手続きを国際スピード郵便（ＥＭＳ）でする。

９８日目

面事務所より被相続人の家族の除籍謄本等が到着。被相続人は記載されておらず、家族が記載された除籍謄本等を依頼者にお送りする。

１０６日目

依頼のあった翻訳文を作成してお送りする。依頼完了。

相続手続用の除籍謄本は以下の通り送られて来ました。

①  本籍：慶尚南道　咸陽郡　西下面　〇〇里　〇〇番地

戸主：被相続人の祖父　弟：被相続人の父　弟の妻：被相続人の母　横書き１頁、表紙以外縦書き７頁

※①から②へ再製

②本籍：慶尚南道　咸陽郡　西下面　〇〇里　〇〇番地

戸主：被相続人の祖父　弟：被相続人の父　弟の妻：被相続人の母　横書き１１頁

※②から③へ戸主相続

③  本籍：慶尚南道　咸陽郡　西下面　〇〇里　〇〇番地

戸主：被相続人の従兄　叔母：被相続人の母　横書き７頁

※③から④へ戸主承継

④  慶尚南道　咸陽郡　西下面　〇〇里　〇〇番地

戸主：被相続人の従孫　従祖父の妻：被相続人の母　横書き６頁

※2008.1.1戸籍制度廃止により抹消

相続手続用の家族関係登録証明書は以下の通り送られて来ました。被相続人の母親のもの。

〇家族関係証明書“詳細”

所長雑感

被相続人の「本籍」について当初は「慶尚南道　咸陽郡」としか分からなかったのですが、親戚にあたって見たところ幸いにも被相続人の母親の戸籍謄本が出てきました。

本籍地の役所に被相続人が記載された除籍謄本等が存在しない場合には、その事実と事由を記した公文書を発行して貰います。日本語翻訳文は無料でお付けします。

又は、この事例のように、被相続人の記載のない父母の除籍謄本等を発行して貰う場合もあります。どちらの場合でも、それらを以って相続手続きをすることが可能です。了。