2008年度から韓国では「家族関係登録制度」が施行され、在日韓国人(日本への帰化者含む)の相続手続用の戸籍謄本取り寄せが一段と複雑化しました。
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在日韓国人・元韓国人の
遺産相続手続き支援室

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4.祖父の「無縁故戸籍」に基づいた家族3代の登録簿整理

 

初日:

東京都在住の3世女性から電話にて依頼を受ける。
伺ったところ、父方の祖父は既に他界したが古い戸籍謄本はある。但し名前と生年月日が日本の外国人登録上とで違う。父方の祖母は健在で元来日本国籍である。母親は家族関係登録簿に記載されている。

早速、依頼者に、祖父の最新の家族関係登録簿の証明書を取り寄せるための委任状の用紙と説明書を郵送する。 

7日目:
依頼者から委任状が到着。直ちに祖父の登録基準地の面事務所に家族関係登録簿の各種証明書の取り寄せ手続きをする。 

24日目:
登録基準地の面事務所から祖父の戸籍謄本が到着。

「無縁故戸籍」であったため新しい「家族関係登録簿」は作成されていない。
確認したところ、名前のうち一文字と生年月日が外国人登録と相違する。祖父は故郷で婚姻・離婚をしていたが、依頼者の祖母との婚姻に関しては韓国に手続きがされていない。

家族の登録簿整理の方法が確定する。

  ①祖父の「死亡の家族関係登録簿整理申請」
  ②祖父と祖母の「婚姻の家族関係登録簿整理申請」
  ③父親の「出生の家族関係登録簿整理申請」
  ④父親と母親の「婚姻の家族関係登録簿整理申請」 
  ⑤依頼者の「出生の家族関係登録簿整理申請」
  ⑥弟の「出生の家族関係登録簿整理申請」
 

早速、依頼者に申請用紙と、必要な証明書類を記載した説明書をお送りする。

35日目:
署名・捺印された申請用紙と全ての証明書類が到着。

証明書類を確認したところ、祖母の「日本・戸籍謄本」上の「婚姻欄」及び「子の出生欄(出生時は母親の私生児、後に父親が認知)」の祖父の名前と生年月日が韓国・家族関係登録簿上とで相違するので、市・区役所での「追完届」に必要な書類一式を作成して依頼者に郵送する。

※実際には婚姻届・出生届に対する「追完届」ではなく、祖母の「日本・戸籍」の訂正の手続きである。

56日目:
群馬県の前橋家庭裁判所から当事務所に電話連絡が入る。

祖母の日本・戸籍訂正(夫の名前と生年月日の訂正)の確認である。とても丁重で好感が持てた。

77日目:
依頼者から当事務所に、訂正された祖母の日本・戸籍謄本等の各種証明書が到着。 
全ての書類が揃ったので、祖父の登録基準地の面事務所に6申請を同時に手続きする。

92日目:
六つの申請が無事受理され、整理された家族関係登録簿の各種証明書が到着。

祖父に関しては「無縁故戸籍」に基づいて、晴れて家族関係登録簿が作成され、その証明書が送付されて来た。
家族5人の整理された「家族関係登録証明書」とともに
パスポート申請手続きなど、登録簿整理後の手続きに関する「案内文」をお送りする。

依頼完了。

 

 

<所長雑感>

名前や生年月日が韓国と日本とで相違する場合は、通常、韓国に合わせて日本を訂正するか、日本に合わせて韓国を訂正するか、どちらかです。

依頼者の祖父は、既に他界していたので韓国の家族関係登録簿上の名前は訂正することが出来ません。また既に他界した人の日本・外国人登録原票は「死亡により閉鎖」されているので、それ自体は訂正できません。実際には、祖母の「日本・戸籍」上の夫の名前と生年月日を訂正する手続きになりました。

とても稀な手続きなので、わざわざ群馬県・前橋家庭裁判所から当事務所に確認の電話がありました。「韓国戸籍」に従って祖母の「日本戸籍」上の、夫の名前と生年月日が訂正されました。


※「無縁故戸籍」とは、戸主と家族全員について住民登録番号(韓国国内居住者は全員持っている)の記載がなく、また30年以上記載の変動がない戸籍のことをいいます。

「無縁故戸籍」は、他の戸籍とは別に面事務所の倉庫に保管されています。

 

 

    
 

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依頼から代金支払いまでの流れ

電話又はメールにて基本的な事項を確認をさせて頂いた上で依頼をお受けすることになります。

依頼をお受けしたら、当方より委任状の用紙と説明書等を郵送致します。委任状を作成し必要書類とともに当方へ返送して頂きます。取り寄せは、通常半月から1ヶ月で来ます。翻訳は、通常数日から1週間で完了します。

代金は、取り寄せた除籍謄本・家族関係登録証明書をお送りする時に請求書を同封致しますので指定口座に振り込んで頂ければ結構です。翻訳文に関しても同じです。

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